小田原は「みかん県」? 実は柑橘類で神奈川県No.1の産地なんです

小田原といえば何を思い浮かべますか? 圧倒的な存在感を放つ「小田原城」や、目の前に広がる「相模湾」、あとは美味しい「かまぼこ」や「曽我の梅」でしょうか。どれも間違いなく小田原の顔ですよね。
でも、日々みかん畑で泥まみれになっている僕たちからすると、小田原の魅力って実はそれだけじゃないんです。 僕がのめり込んでいる「柑橘(みかん)」の世界。
今回は、小田原という街の農業のポテンシャルと、僕ら柑橘農家がこっそり胸を張っている「神奈川県No.1」の底力について、ちょっと語らせてもらおうと思います。
目次
実は「神奈川県で一番」を獲り続けている柑橘の街

皆さん、小田原でどれくらいみかんが収穫されているか、ご存じでしょうか。
実は小田原市、柑橘類の生産量において「神奈川県内 第1位」を誇る産地なんです。
全国的な規模でいえば、和歌山県や愛媛県といった超巨大産地には及びませんが、都道府県で見ると神奈川県自体も全国で10番目の産地で、その中を引っ張っているのがここ小田原です。
市内を車で走っていると、山あいの斜面にみかん畑が広がっている光景をよく目にしますよね。
後継者不足や、昔の価格暴落なんかの影響で、全盛期と比べれば「どこを見渡してもみかん畑!」というわけにはいかない場所も増えてきました。それでも、冬が近づいてくると、山の斜面がオレンジ色や黄色い果実で彩られる美しい光景は、今でもしっかりこの街に残っています。
なぜ小田原でみかんが育つのか?

小田原の農業は、大きく分けて二つのエリアで構成されています。 市の中央を流れる酒匂川流域の「水田地帯」と、そして南部から西部、さらには東部にかけて広がる「果樹園地帯」。僕たちが活動している江之浦・片浦エリアは、まさにその柑橘栽培のメインステージです。
温暖な気候、そして富士山の火山灰を含む水はけの良い土壌。江戸時代から続くこの柑橘栽培は、鉄道の開通とともに商品化され、先人たちが石垣を積み上げ、大切に守り抜いてきた歴史があります。
柑橘だけじゃない!小田原を支える果樹たちの魅力

小田原の農業の面白いところは、柑橘一つに固執せず、土地の特性に合わせて様々な工夫をしているところです。最近では、みかんの価格変動に柔軟に対応するため、キウイフルーツや梅など、より地域に合った果樹へ取り組む農家さんも増えています。
- 梅: 「東海道中膝栗毛」にも登場するほどの歴史ある名産品。特に曽我梅林の「十郎梅」は、皮が薄くて肉厚で、梅干しとしてもとても評判が良いんです。
- キウイフルーツ: 実は国内でも有数の生産量を誇る果物(神奈川県は全国4位くらい)。小田原のあたたかな気候は、キウイにとっても育ちやすい環境なんですね。
- ブルーベリー: みかんが収穫できない夏の時期に、新しい挑戦として栽培を手がける農家さんが増えている注目のフルーツです。季節の移り変わりとともに、いろんな美味しい果物が採れるのもこの地域ならではの魅力です。
柑橘農家として思うこと

データで見れば、小田原は神奈川県で一番の産地です。でも、数字の大きさ以上に僕が面白いなと感じるのは、その「多様性」です。
小田原の直売所をのぞいてみると、温州みかんのシーズンが終わっても、レモンがあったり、甘夏があったり、あるいは湘南ゴールドのような個性的な品種が並んだりと、一年を通して「何かしらの柑橘」が途切れることがありません。
この多様な顔ぶれが並ぶのは、小田原の農家一人ひとりが、自分の畑でそれぞれのこだわりを大切に育てているからこそです。
僕たち「内山柑橘園」も、そんな小田原の農業の歴史のバトンを受け取る一人です。 機械化が進む現代農業とは少し違う、急斜面で石垣を抱えながら育てる小田原の柑橘。作業は決して楽ではありませんが、その分、太陽と潮風をたっぷり浴びた柑橘たちは、しっかりとした味わいに育ってくれます。
この先も、小田原の斜面に広がるオレンジ色の風景を、未来へつないでいく。そんな気持ちで、今日も弟と一緒に畑に向かっています。
皆さんも小田原にお越しの際は、ぜひ地元の直売所で「今の旬」を探してみてくださいね。きっと、その時期にしか出会えない美味しい柑橘が待っていますよ!
