黄色いだけが時期じゃない。香り付けに最適の「青柚子」の魅力

青柚子

今回は僕たちが育てている柑橘の中から、この季節ならではの特別な果実についてお話ししようと思います。

世間一般で「柚子」というと、冬に実る黄色い姿を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、実は黄色いだけが柚子の季節じゃないんです。 今回は、夏から秋の限られた時期だけにしか出会えない「青柚子」の魅力について、話していこうと思います。

目次

黄柚子とは何が違う?「香りのための柚子」

緑色の果実が青柚子

青柚子とは、夏に旬を迎えるグリーンの柚子の果実のことです。 秋に熟すイエローの柚子に比べ、若々しくキリッとした酸味青々しい爽やかな香りが特徴です。

青柚子が収穫できるのは、身が黄色く色づき始める直前の特定の時期だけ。黄色い熟した柚子とは、味わいも使い道もまったく違います。

  • 青柚子(8月下旬〜10月):夏の日差しをたっぷり浴びて育った未熟な実。果皮に硬さと厚みがあり、キリッとしたシャープな酸味と、青々しくフレッシュな香りが際立つ。
  • 黄柚子(10月下旬〜12月):皮の色が黄色く、果肉もやわらかい。芳醇で深みと落ち着きのある香りが特徴。

黄柚子の香りが「深み」だとすれば、青柚子はまさに「香りのための柚子」です。果汁の量は成熟した柚子に比べると多くありませんが、その分、果皮に詰まった香りと酸味のパワーが圧倒的。「料理に鮮烈なアクセントを添えてくれる食材」として非常に高い価値が置かれています。

柚子の一年と、青柚子のポジション

青柚子は1kgあたり20個程度

そもそも柚子って、一年を通してどんな風に育っていくかご存知ですか? 僕たちの農園での年間スケジュールは、ざっとこんな流れになっています。

まず、春の3月〜4月にかけて枝の剪定や最初の肥料やりを行い、5月になると新しい芽が芽吹いて、やがて白い柚子の花が咲き誇ります。そして6月〜7月の初夏から真夏にかけて木が青々と育ち、小さな実が少しずつ大きく育っていく大切な期間を過ごします。

そうして夏の日差しをたっぷり浴びた実が、8月〜9月に「青柚子」シーズンを迎え、秋が深まる10月〜12月にはすっかり黄色く色づいた「黄柚子」の収穫・出荷シーズンへと移り変わっていくんです。

こうして見ると、秋から冬にかけての黄柚子が定番のイメージかもしれませんが、暑さが残る夏から秋の直前にかけて、鮮やかな緑色の「青柚子」が旬を迎えます。この時期にしか採れないからこその、特別な香りを楽しめるんですよね。

実際にどう使う? 青柚子が活きる食卓

青柚子は1kgあたり20個程度

この爽やかな青柚子、お家のご飯でどう使うのが美味しいのか。一番のおすすめは、やっぱり「果皮ごとすりおろして薬味にすること」です。

例えば、冷たいそうめんやうどんの薬味におろしたての青柚子をキュッと添えたり、柚子胡椒を作ったり、夏の脂がのったお魚料理に合わせたり。あるいは、細かく刻んでサラダに散らしたり、果汁をドレッシングやマリネに混ぜ込んだりするだけで、いつもの家庭料理がパッと爽やかな一品に生まれ変わります。

黄色い柚子には出せない、あのキリッとした清涼感とフルーティーな香りは、残暑厳しい季節の食卓を本当に心地よくしてくれるんです。

柑橘の全部で、心動かす体験を届けたい

畑で青柚子を収穫する弟

僕たちが目指しているのは、ただ果物を「育てる」ことだけではありません。 味も、香りも、そしてそれにまつわる体験やストーリーも含めて、柑橘の「全部」で誰かの心を動かしたい。

「こんな時期に、こんなに爽やかな香りの柚子があるんだ!」という発見や、季節の移り変わりを食卓で感じてもらうワクワク感。そんな自由な角度からの楽しみ方を、この小田原からお届けしていきたいと思っています。

いつの日か、僕たちが生まれ育った北海道の空の下にも、この太陽をいっぱいに浴びた自分たちの柑橘を届けたい。遠く離れていても、同じ空の下で「美味しいね」ってワクワクできる未来を創っていきたいです。

黄色い季節だけじゃない、今しか味わえないキリッとした青柚子の香り。ぜひ、今年の食卓に取り入れてみてくださいね。

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