みかんは雨の日に収穫しない。農家が「晴れるまで待つ」理由|小田原の内山柑橘園

最近、雨が多いですね。畑にとって雨はもちろん大切です。特に夏の暑い時期、みかんの実が大きくなっていくためには水分が欠かせません。ただ、農家からすると「雨が降った!よかった!」だけでは終わらないんです。

雨が続くと畑の状態が悪くなったり、急にたくさんの雨が降れば、実が割れてしまう「裂果」が起きることもあります。僕たちの農園(内山柑橘園)は急斜面にある畑なので、雨の流れで石垣や土が崩れていないか、気になって様子を見に行くことも少なくありません。

そして、もう一つ天候で大きく関わってくるのが「収穫」のタイミングです。実は、雨の日や、雨上がりでみかんが濡れている状態では、基本的に収穫を控えています。これ、単純に「雨の中で作業するのが濡れて大変だから」という理由だけではないんです。

目次

みかんが濡れていると、傷みやすくなる

みかんは、果実が濡れている状態では、できるだけ収穫しないようにしています。理由は、収穫したあとの品質をしっかりと保つためです。

収穫したみかんは、そのまますぐに皆さんのもとに届くわけではありません。収穫して、選別して、箱に詰めて、運ばれて…とお手元に届くまでいくつかの工程があります。その間、果実ができるだけ良い状態でいられるようにしてあげる必要があります。

もし濡れた状態で収穫して箱詰めしてしまうと、箱の中に湿気が残りやすくなります。果実の表面が濡れた状態が続くと、それが傷みや腐敗につながる可能性を高めてしまうんです。また、収穫や運搬の際についてしまった小さな傷から、そこをきっかけに傷みが進んでしまうことも。

だからこそ、できるだけ果実が乾いた状態で収穫する。これも、みかんを一番美味しい状態でお届けするために大切にしていることの一つです。

関連記事|青みかんの保存方法

雨が止んでも、もう少し待ちたい

雨が上がったあとも、すぐには収穫を始められません。

空が晴れても、みかんの表面には水滴が残っていますし、木を覆う葉っぱにもたくさんの水分が残っています。朝であれば、雨が降っていなくても朝露で果実がしっとり濡れていることもあります。

そのため、天気が回復しても、果実がしっかり乾くまで待ちます。

太陽が出て、みかんの表面の水分が引いたところで畑の状態を確認し、ようやく収穫をスタートするんです。農家をやっていると、「今日は晴れマークだから収穫できる」と天気予報のスケジュール通りにいかないことが本当によくあります。実際に自分の足で畑へ行き、みかんの肌に触れて、状態を確かめる。その日の天候や畑の機嫌を見ながら、ベストなタイミングを自分で見極めています。

おいしいみかんを育てるにも、水分の管理が大切

みかんにとって水分は絶対に必要ですが、ただ「たくさん水を与えればいい」というわけでもありません。果実が育つ時期の水分管理は、味の品質にダイレクトに関わってきます。

あえて適度な乾燥ストレスを与えることで、キュッと味が凝縮された糖度の高い果実をつくる栽培方法もあるくらいです。

雨が降れば恵みに喜び、降りすぎれば実割れを心配する。晴れが続けば、今度は乾きすぎていないか気がかりになる。みかんづくりは、毎日本当に天気との対話だなと実感します。

関連記事|乾燥ストレス付与:農研機構(外部リンク)

発送まで、少しお時間をいただく場合があります

ネットショップでご注文いただいた際、もし雨が続いていたり果実が乾ききっていなかったりする場合には、発送まで少しお時間をいただくことがあります。ご注文いただいた商品を一日でも早くお届けしたい気持ちはありますが、濡れた果実を無理に急いで収穫して発送するようなことはしません。きちんと乾いてから収穫し、自分たちの目で状態をしっかりと見極めたものだけをお届けしたいと考えています。

そのため、天候によっては発送をお待ちいただくこともございます。自然相手の農業ゆえにお時間をいただく場合もございますが、一つひとつの果実と誠実に向き合いながら大切にお届けしておりますので、何卒ご理解いただけますと幸いです。

目次